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<【日本製】 石見焼 吉田製陶所 かめ 切立蓋付 5号 9.0L>
まず「伝統工芸品」ですが、長きにわたりその技術や技法などが何らかの基準を持って次から次へと受け継がれ、且つ現存している工芸品を差します。
そして「伝統的工芸品」とは、この伝統工芸品の中でも、「伝統的工芸品産業の振興に関する法律(昭和49年5月25日、法律第57号)」に基づき経済産業大臣から指定を受けたもののことを差します。
5つある指定基準を全てを満たしたもののみが「経済産業大臣指定伝統的工芸品マーク」を表示することが許されます。
それに加え石見焼では、その窯元が「石見陶器工業協同組合」に属し、製品を「伝統的工芸品『石見焼』検査委員会」に出品し、厳正な審査に合格したもののみ「伝統的工芸品」としての表示を許されています。
これは、一度出品すればその窯元の全ての製品が認定されるわけではなく、製品一つ一つの単位で認定されるものとなっています。
当店では「伝統的工芸品」に認定されているもののみをお届けしています。
経済産業大臣指定伝統的工芸品マーク
江戸時代中期(1763年)に周防国岩国藩(現在の山口県付近)より製法が伝えられ、1780年代に備前国(現在の岡山県付近)の陶工により大物陶器の製法が伝授され、水を保存しておくための「水瓶(みずがめ)」等が生産されるようになりました。
今と違って水道が無かった時代では、溜めた水を保存しておける大きなかめはどの家庭でも必需品でした。
江戸時代末期には当時の藩の家老が陶器生産を奨励したため窯数も増加し、一大の水瓶産地となっていきました。
その頃には航路での運搬が確立され北海道から九州まで販路が伸び、「石見のハンドウ」と言う名で一躍全国にその名が広まり、親しまれていました。
大正時代中期頃からは大物陶器だけでなく茶器や鉢など製品が多様化し、鉄道山陰本線に開通により販路はさらに広がりを見せ、昭和初期にかけての全盛期を迎えます。
その後日本は第二次世界大戦からの高度経済成長期を迎え、上水道の整備・プラスチック容器の普及により、かつて必需品として重宝された「石見のハンドウ」は影を潜めるようになりました。
これにより多くの窯元は大きな打撃を受け、最盛期には100軒もあったと言われる窯元も次々と転廃業を余儀なくされました。
そんな厳しい状況下でも市場のニーズに応えるべく、尽力した窯元があります。今回ご紹介している「かめ」の窯元である、「吉田製陶所」もその一つです。
その甲斐あってか石見焼は平成6年4月に「伝統的工芸品」の指定を受けました。
そして現在、石見焼は手作りの素朴な風合いと、伝統を活かした確かな品質の焼き物として見直され、多くの方に高く評価を得ています。
どんなに熟練した職人でも、原料の土をこねるところから成型まで全て完全手作業で、さらに焼成(窯に入れて焼くこと)工程もある陶器製のかめの"精密さ"には限界があります。
同じ形状の同じサイズの製品でも、目に見えるほどの個体差があります。口の部分(容器本体上部)の水平を測ってもキッチリ真っ直ぐではない場合があります。重さにも個体差があります。
しかし、それでも伝統的工芸品の石見焼のかめは、きっと最高の漬物容器として受け入れられるものと私達は確信しています。
以前多種取り扱っていた「久松窯」のかめは、この石見焼をお手本にして作られていました。もちろん品質はお墨付きです。
石見焼ではその地域で採掘したもともと耐酸性に優れた「陶土」を細かく砕き、水と混ぜて撹拌(かくはん)し、粒子の細かいもののみを取り出し使用しています。土の粒子は細かければ細かいほど焼成時に良く焼き締まり、より強固なものとなります。
そうなると水分や塩分を吸収しにくくなり「耐水性」「耐酸性」が格段に向上するばかりか、温度変化にも強くなります。
石見焼のかめは「耐水性」と「耐酸性」に非常に優れているため塩こし・貫入が起こる事がなく、なるべく一定の温度で熟成させる事が好ましい味噌や梅干し・ぬか漬け・お漬物を温度変化から守ってくれるので、漬物容器としては抜群の力を発揮します。
さらに表面には釉薬(ゆうやく:「うわぐすり」とも言います)が掛けられ、ツルツルとしたガラス質になっているので、その部分に関してはまったくと言っていいほど水分や塩分が染みることはありません。(釉薬は人体には無害です)
江戸時代からのままの原料・技法で作られる石見焼のかめは、高い安全性と機能性を持ち、もちろん環境ホルモンなどの化学有害物質とは無縁です。
「昔ながら」は安全・安心の印なんです。
1度目は「素焼き」です。「素焼き」とは轆轤(ろくろ)での成型後に乾燥させたものを窯に入れ焼く作業のことを指します。この時の温度は約800℃前後となります。
2度目は「本焼き」と言い、素焼きの後釉薬を塗ったものを窯に入れ、素地を焼くと共に釉薬をしっかりと定着させる役割を担っています。この時に窯の温度が低いとしっかりと土を焼き締めることが出来ず、貫入・塩こしの原因となります。
通常本焼きの窯の温度は1200℃ほどですが石見焼でのこの本焼きの温度は約1250℃~1300℃にも達します。たかが50℃~100℃の違いですが、この違いが善し悪しを決める重要なラインだと言われています。
これら2度の焼成により、そして高温で焼くため磁器に近い素地となり品質を高めています。
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