書籍文化史料論 / 鈴木俊幸 【本】

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内容詳細書籍の享受に関わる一次史料は思いのほか少ない。その文化・歴史を描き出すためには、書籍そのもののみならず、そこに残された書き入れや、周辺にある断片化された資料へも目を向ける必要がある。チラシやハガキ、書籍におされたハンコ、そして版権や価格、貸借に関する文書の断片など、これまで真正面から取り扱われることのなかった人々の営為の痕跡から、日本の書籍文化の展開を鮮やかに浮かび上がらせる。書物文化史研究の第一人者による待望の史料論。

目次 : 第1部 史料が照らす世界(京都書林仲間記録『重板類板出入済帳』―安永二年~安永六年/ 書籍の流通と売価―江戸暦を史料として/ 役人附雑考/ 五車楼藤井孫兵衛宛頼支峯書簡からうかがえる二、三のこと/ 葉書という社会資本、あるいは書籍流通史料としての葉書/ 袋屋東生亀次郎と上方書商との交易―書籍輸送の実際/ 「信州西筑摩郡上松村字寝覚浦島旧跡臨川寺図」出版の顛末)/ 第2部 書籍文化史料片々(書籍の価格―岡田屋嘉七の請取と通帳/ 石見国医師の読書生活―『松峯筆記』の「書物見聞覚帳」/ 草紙類の流通と広告―甲府二文字屋藤右衛門引札/ 信州松本の貸本商売―穀屋儀七貸本広告と貸本印/ 普通の人々の普通の読書―貸本屋の営業文書片々/ 須原屋茂兵衛の薬商売―引札と広告葉書/ 京都の絵草紙屋紙藤(綾喜)―引札と紙看板/ 古書漁りの余得―『官版単語篇』領収書と上野尚志書状/ 近代教育草創期の書籍流通―信濃国伊那郡洗心(小川)学校文書より/ 書籍流通拠点の生成と水運―下総正文堂利兵衛の引札/ 葉書が語る明治の書籍流通―岡田為助宛三木佐助葉書/ 明治期予約出版の足取り―鳳文館の葉書と広告/ 陸前古川における新聞・雑誌・書籍の流通―領収証の束から浮かび上がるもの/ 彫工たちの明治―葉書に見える仕事の実際/ 明治の製本師―製本印という史料)

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